IPv6の通信速度が遅い原因

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アパート・マンション経営において、インターネット環境の整備は今や不可欠と言えるでしょう。そうしたなか、近年よく聞かれるのが、最新の通信規格であるIPv6を導入したにも関わらず、通信速度が遅いというケース。なぜ、そうなってしまうのでしょうか？原因と対応策をとりまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

IPv6とは

まずは、そもそもIPv6とはなんなのかについて、ご説明していきましょう。パソコンやスマートフォンなどでインターネットを利用する際、個々の機器に割り振られるIPアドレスというものがあります。簡単に言えば、使用する機器のインターネット上の住所のようなものです。

そのIPアドレスの規格として、現在主流となっているのは　IPv4ですが、将来的に発行できるIPアドレスが不足すると予測されたため、　IPv4を大きく上回るIPアドレスを発行できる最新の規格として設定されたのが、他ならぬIPv6です。

通信速度の安定性が高いとされており、日本を含め世界中でIPv6への切り替えが進んでいるのですが、そうしたなかでよく聞かれるようになったのが、IPv6を導入したのに、通信速度が遅いという事態なのです。

IPv6の通信速度が速いとされる根拠は？

詳しくは後述しますが、実はIPv6を導入した“だけ”で通信速度が速くなるという訳ではありません。それこそ同じ光回線であれば、IPv6とIPv4の通信速度そのものは変わらないのです。ではなぜ、「IPv6は高速」とアピールされているのでしょうか？

その根拠となっているのは、対応できる通信方式が違うという点。従来型のIPv4が対応しているPPPoE方式は「混雑した一車線しかない道路」と例えられるのに対し、IPv6が対応するIPoE方式は「空いていて複数の車線がある道路」と表現されます。インターネットの利用者が集中した場合などでも、IPv6はIPv4に比べ混雑が起きにくいため、結果的に安定した回線速度が保たれるということなのです。

IPv6を利用しても回線速度が改善されない原因

ここまでの説明で、IPv6とはどんなもので、どのような特徴や利点があるのかについては、大まかにはご理解いただけたのではないかと思います。その上で、ここからは、　IPv6をしているのにも関わらず、回線速度が速くならない原因について探っていきましょう。

契約している接続業者がIPoE方式を採用していない

IPv6なのに遅い原因の筆頭に挙げられるのは、契約しているインターネット接続業者がそもそもPPPoE方式のみの対応で、IPoE方式に対応していないというケース。前述しました通り、IPv4からIPv6への切り替えはどんどん進んでいくと予測されていますので、今後は稀になっていくと思われますが、過渡期ゆえにこうしたケースもまだまだ見られます。

ルーターやパソコンの設定が適切でない

契約しているプロバイダがIPoE方式に対応しているという場合は、お使いのルーターやパソコンの設定がPPPoE方式となっているというケースが考えられます。とりわけ、プロバイダとの契約の際、ルーターをプロバイダからレンタルせず、自前で用意したルーターを使用している場合に、このケースが多いようです。

IPv6に対応していないサイトがある

先にも述べました通り、現在はIPv4からIPv6への切り替えが進んでいる最中ではありますが、過渡期ゆえに、サイトによってはまだIPv4仕様のままで、　IPv6に対応していないというケースもあり得ます。さすがにこれはユーザーにはどうしようもないことですが、後述する通り、対応策があります。

ルーターのスペックが低く、IPv6に対応していない

前述しました、ルーターの設定方法の誤りというケースに加え、お使いのルーターがそもそも、IPv6に対応していないという可能性もあり得ます。一概には言い切れませんが、製造年度が新しいものであればIPv6ならびにIPoE方式に対応していると思われますが、少し前の型やスペック的に低いものは、非対応ということもあり得ます。

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IPv6の回線速度が改善しない場合の対処方法

以上の通り、IPv6の回線速度が遅いのは、IPv6そのものに問題がある訳ではなく、利用しているインターネット環境や機器の設定に原因がある場合がほとんどです。以下にご紹介する方法を参考に、状況の改善を試みてください。

プロバイダが提供している接続方式を確認（IPoE方式かPPPoE方式か）

まずは契約しているプロバイダおよびサービスプランが、IPoE方式なのかPPPoE方式なのかを確認することが先決です。契約しているプロバイダの公式ホームページをチェックや、カスタマーセンターに問い合わせるなどで確認できます。

IPv4 over IPv6を利用する

IPv4 over IPv6とは一部のプロバイダが提供している技術で、簡単に言えば、IPv6環境で通信をメインで行いながら、従来のIPv4アドレスでの通信もサブ的に行えるというもの。IPv6をメインで使っていて、IPv6に対応していないサイトを利用する時にも速度を落としたくないという場合に有効な方式となります。

ルーターやパソコンの設定を確認する

IPv6を契約したプロバイダから提供されるルーターであれば特別な設定は不要ですが、回線プランを変更した場合などは、再設定が必要となる場合も。取り扱い説明書などで、設定変更の方法を確認し実践してください。

パソコンの設定は、Windows10の場合、「コントロールパネル」⇒「ネットワークの状態とタスクの表示」⇒「ネットワークと共有センター」と進み、画面左の「アダプターの設定の変更」を選択、使用する「イーサネット」のアイコンを右クリックして「プロパティ(R)」を選択。「イーサネットのプロパティ」画面の「ネットワーク」タブで、「この接続は次の項目を使用します(O):」の枠内にある「インターネットプロトコルバージョン 6 (TCP/IPv6)」にチェックを入れます。その状態のまま、「プロパティ(R)」に進み、「IPv6 アドレスを自動的に取得する(O)」と「DNS サーバーのアドレスを自動的に取得する(B)」を選択して「OK」を押します。

利用しているサイトがIPv6に対応しているか確認する

「IPv6 Compatibility Test For Website」にアクセスし、調べたいWebサイトのURLを入力すれば、IPv6対応か否かが分かります。またブラウザがGoogle Chromeの場合、「IPvFoo」という拡張機能をインストールすると、IPv4／IPv6どちらで表示しているかがブラウザー上でチェックできます。

ルーターのスペックを確認する

繰り返しになりますが、IPv6を利用するにはIPv6に対応しているルーターを使用することが不可欠になります。お使いのルーターの説明書やネット検索などでスペックを確認し、IPv6対応かどうかを確認することが重要です。